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なるほどDX!!⑩-2 ~IPLで新しい景色を見よう<後編>~

こんにちは!デジタル共創本部のトラちゃんです!

前回はIPL(IPランドスケープ)という、とってもHOTなDXについて
トラちゃんなりに勉強してお伝えしました。

が、なんと旭化成にはIPLに詳しい、というかIPL第一人者が居る!!という事で
もう直接、オンラインでお話きいちゃいましたよ!!

WEBでインタビュー!

※以下、中村さん=中/トラちゃん=ト
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ト:中村さんはじめまして!!トラちゃんです。
知財ってトラちゃんにとっては、とてもとても新しい世界でハジメマシテなんですが、中村さんは知財一筋30年と伺いました。どうやって知財に出会ったんですか?

中:こんにちは。トラちゃん。出会い?偶然ですよ!(笑)

ト:え!!!偶然なの? いきなり思ってたんと違う!…もっとなんかこう…図書館で本を借りたら、いつも自分より先に借りてる人いるけどそれが全部同じ人で…みたいなの想像してた。 (←耳すま)
あ、でも運命っていつも偶然なんで。うん。(ロマンチスト)

中:(笑)もともとリケジョ(理系女子)だったので、研究職で入社したんです。でも、いろいろありまして研究職から偶然、知財部に配属されて。でも、すぐに面白い!って遣り甲斐を感じてハマりましたねー。知財の仕事って単なるデスクワーク的なものをイメージしていたんだけど、やってみたら、とってもクリエイティブなものを感じたんですよ。
私、新しいことにどんどんチャレンジするとか、新しいものを作っていくことが好きなんです。だから性格も関係しているかも。

ト:良いですね~!どんなところに遣り甲斐を感じたんですか?

中:皆が一生懸命研究したことを特許っていう成果に仕立てていくところがとてもクリエイティブに感じたし、何よりも事業に直接貢献してる感があったなー。もちろん法律も沢山勉強したし、物凄く大変だったけど。それ以上に達成感があった!

ト:それはやはり運命ですね!

中:運命?(笑)。私的に転機は『情報調査解析』の世界に入ってからなんだよね。そこは特許の申請業務じゃなく、調査とか解析っていう知財情報を調べたり活用をするとこに行くことになってね~

ト:おー!転機!(ワクワク)

中:でも当時は旭化成ではそういった業務がまだ確立されていなかったから…調査とか解析の業務は研究者が自由にやっていて、それを指導する担当者が地区ごとに居てバラバラに業務をやってたの。
だから全社的に特許調査ってどうしていくのがベストなのかを探るところからだったのね。組織の在り方も、やり方も、何もかも前例がどこにもない、正解が誰も分からない時代だったんだけど、当時の上司が全部任せてくれたのよ!
いろんなところに行っていろんな人に会って話をきいたり、本当に自由にやらせてもらったな~。そういうのも楽しかったし、色々やっているうちに知財情報ってすごい面白い!ってますます思ったんだよね。

気さくに色んなことに答えてくれる中村さん

ト:え…それって本気のゼロからってことですよね…。ものすごい大変そうですけど、それをちゃんと楽しめるとこがやっぱりスゴイなぁ…!その知財情報ってIPL(IPランドスケープ)のことですよね?

中:そうそう。今のIPLの草分けって感じかな。特許って自社の事業を優位にするために出願するものだから各社出願にしのぎを削ってるの。出願には、時間もお金も手間もかかるから皆、戦略的に出願をしていく。…てことは、そこから他社の戦略?動きが見えるんじゃないかな?って思ってね。

ト:あ、頭いい・・・やはりゼロからいろんなものを作ったから、気が付いたことなんですかね

中:ふふふ(笑) うーん、それもあるかも!でも運が良かったんだと思う。そういう状況に置かれたっていう運。

ト:運!でも自分でつかんだ運!
IPLってなんだか難しそうだけど、すごく面白そうですよね。
ヒートマップみたいになってるマッピングが印象的です。綺麗~

旭化成の持つ特許をマッピング。特許の集中する(CORE技術)の場所は赤くなる。

中:綺麗だよね、あれ。星空マップって呼んでるのよ(笑) テキストマイニングって手法を使ってるんだけどね。あーゆーふうにマッピングすると全体が俯瞰して見えるから良いんだよね。小さい点が一つ一つ特許で、この点と点の距離がその特許の中身の近さになってるのよ。点が多く集まっているところが赤くなってるのね。つまりここは特許が集中している分野だから旭化成が強い分野ってことが分かる。
研究者の人ってどうしても自分の研究に関するど真ん中を調査するので、その周辺の点にばかり目がいっちゃいがちだけど、マップにしたりして視点を変えるといろんなものが見えてくるのよね。
トラちゃん、鳥の目、虫の目、魚の目って知ってる?

ト:聞いたことあります。鳥の目が俯瞰で見る事、虫の目は1個の物を細かく見る?魚の目は潮の流れを見るとかっていうやつですよね…?

虫の目、鳥の目、魚の目、トラちゃんイメージ

中:おー!流石。大体そんな感じ!研究者が虫の目なら、IPLで用いるマップはまさに鳥の目かな。あとはIPLでは魚の目も大事なのよ。
市場がどう変わってきているのか、これからどう変わるのか、を知財情報を通して分析できる!

ト:マーケティングですね?

中:そうそう、マーケティング。でも実は私たちのIPLはね、調査だけでは終わらないのよ。提案までを仕事とおもってる。

ト:提案、って例えばどんな提案するんですか?ここの分野もっと強化しましょう!とか?  

中:うん!それもある。し、その逆で
もう、辞めましょう! とかもある(笑)

ト:え、そっちも!?結構緊張しますね。だって、先方の思ってることと全く逆の提案することもあるってことですよね。

中:あるある!でも良いのよそれで!!

ト:喧嘩にならないんですか?

中:大人だしね(笑)言い方もあるしね(笑)

ト:何かコツってあるんですか?

中:しっかり調査して、自分たちの調査分析の結果を信じて、忖度しないで臆せずに『なので、こういう戦略を取ってはどうですか?』てとこまでハッキリ言う!ぶつける!これよ~。
『こういう結果になりましたー。』だけだと『へー面白いね。』で終わっちゃうから、コミュニケーションが生まれない。先方の本当の考えを引き出すことが出来ないもん。何かをハッキリ言う事によって『そうだね!じゃあ…』も『そうかな?だって…』も始まるでしょ。
そういう相手の思考の手伝いというか、相手の思っていることを引き出すことがIPLの真の役割!と私は思っているよ。
これぞ、知財コミュニケーションね!
よくコンサルみたいに言われるけど、そういう面もあるのかもしれない。

ト:思ってたんとちょっと違った!(2回目)
忖度なしでハッキリ具体的に提案…カッコいー。コミュニケーションのキッカケ…でもますます難しそう~。

中:そーねー難しい!分析も大事だけど、でもまずはしっかり先方の課題を一生懸命ヒアリングするのが大事よね。ヒアリングして仮説を立てて、分析。あと、シナリオ構築力って言ってるんだけど、提案する時のストーリーも大事ね。先方が皆、研究職じゃないでしょ?だから特に技術面からは分かり易くロジカルに説明する。知財のマップだけ見せても上手くいかないと思う。

ト:カッコよー!シナリオライターあこがれる~(テレビっ子だから)分析力だけじゃなくて色んな力が必要なんですね!・・・度胸とかも。

中:(笑)

ト:そういえば、最近だと既存事業の強化だけじゃなくて新規事業の種もIPLで見つけるって聞きました

エマージングテクノロジーに関して発行されている論文情報を構成するキーワードと、旭化成のコア技術を構成する要素をマッチング!ハイライトされている部分はエマージングテクノロジーに対して旭化成の技術が使えそうな分野とわかる。

中:そうそう、実はそういう事もしてるの。
旭化成のコア技術とエマージングテクノロジーのマッチングを行うシステム開発もしてしまいました!これはぜひ研究者に使ってほしいと思っています。
エマージングテクノロジーというのはね、「世界変える技術」と銘して年間10テーマの先進技術を毎年※SCIENTIFIC AMERICANが選定しているものなんだけどね。
旭化成のコア技術を、それを構成する要素となる技術単位に分解し、エマージングテクノロジーに関して発行されている論文情報を構成するキーワードとマッチングさせる。そうすると、さっき話した「星空マップ」化した10のテーマの論文情報のマップに旭化成のコア技術がハイライトさせることができるんだよね。
一見、関係なさそいうな新たな技術に、旭化成のコア技術が使えそうなところが見える化できるってわけ。
(※SCIENTIFIC AMERICAN:アメリカ合衆国の通俗科学の科学雑誌。一般向け科学雑誌として世界最古。第一線で活躍する研究者自らが執筆しているなど、その内容は高く評価されている。)

分かり易く教えてくれる中村さん

ト:頭いい!!今注目されている技術と旭化成がコラボをできそうなところを、いち早く見つけるってことですね。夢広がりますねー、IPL。やみくもに妄想することから始めるよりもずっと効率的だもん!
あ、そういえば、中村さんってIPL推進協議会という団体の幹事もやってるんですよね?そこでは一体どんなことをしてるんですか?

中:様々な業種の企業が集まって、IPLが目指すビジョンを明確にするための双方向の情報共有や議論を行っています!
ただIPLのやり方を勉強するだけではなく、経営へ資する提言を行う人材像や行動指針などを作り上げて国に提言するといった機能も持っているんだよ。
IPLは企業の力を強くするもの、『IPLで日本を強くしよう!』というのがキャッチフレーズだよ。協議会は一昨年設立されたばかりなので、これからもどんどん進化するよ!

ト:へー!みんなでIPLを育てているんですね。
でもでも、トラちゃんちょっと思うんですよね。こんな画期的なこと皆に内緒にしとけばいいのに…これからもっと世の中に浸透して皆にとっても普通になっちゃったら、ちょっと損した気分…じゃないですか?

中:美味しいお店とかはね(笑)でも、これからの時代はもっと企業同士が連携しないと新しいものは生まれにくいし、社会問題も色んなことが複雑に絡み合ってるから一社で解決するのは難しいものが多いでしょ?環境問題とか。
IPLを使って皆で頑張って、日本企業の力の底上げもしていきたい!

ト:え・・・めちゃくちゃかっこい~!
内緒にしておけば~とかトラちゃん器小さすぎ、反省です。今すぐ忘れてください。お願いします。
なんか、中村さんって色々(スケールが)デッカイですね。思っていた以上にパワフル!

中:え?そお?健康ヲタクではあるけど?!(笑) 私たちの仕事はやってやりすぎることは無い!失敗しても切腹はしなくてイイ!だから思いっきりやるのよ~そのほうが楽しいしね!!

ト:はい!トラちゃんも見習います!!なんだか今日は元気を貰っちゃいました!ありがとうございました!

中:こちらこそ~

中村さんありがとうございました◎

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流石、第一人者、なんだかとってもパワフル!
トラちゃんが思ってたのよりもっともっと遠くの広~い景色を見てました。
でも、こんなにまだまだ新しいIPLという方法を思い切って経営に採用する旭化成もなかなかに頭柔らかい&勇気あるなと思っちゃったりして・・・。

だってトラちゃんだったら、もうちょっと周りがやってる様子見て大丈夫そうだな、て思ってからやって…
・・・いやいや!ダメダメ!
また器の小さいせこいトラちゃん出てきた(笑)
そんなことでは中村さんのような第一人者にはなれないのだ!!

小さな器を卒業するトラちゃん

中村さんは「偶然」をしっかりチャンスに育てる好奇心と行動力を持っている元気で素敵な方でしたね。
まさにDXによって新しい世界を切り開いて更に繋げようとしている、日本とか世界をトランスフォーメーションしようとしているのを感じました…。

あ、トラちゃん知ってる!
こういう人を“トレイルブレイザー(trailblazer)”っていうんですよね。(確か旭化成の中期経営計画にもそんな言葉があったような…)
trailblazerってなんだか楽しそう。ふふふ。

トラちゃんも見習うぞ!(特に器)
えいえい・おー!

最後まで読んでいただきありがとうございました。

関連リンク
旭化成株式会社デジタルトランスフォーメーションサイト
旭化成株式会社
旭化成 DXエンジニア キャリア採用 特設サイト
新時代に挑む知財戦略 IPランドスケープのススメ「旭化成株式会社」-激動の時代を切り開く攻めの知財戦略- 特許庁 広報誌「とっきょ」2021年9月14日発行号 | 経済産業省 特許庁 (jpo.go.jp)


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