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DX銘柄2024 選定企業2社 担当者対談  旭化成株式会社×富士フイルムホールディングス ① ~DX銘柄応募のキッカケと、その効果~

3年前 のDX銘柄2022選定企業発表会で偶然、隣の席に座った旭化成と富士フイルムホールディングス。

以来、同じ「化学系・製造業」ということで意識しあう存在に。競合であり、同じ領域をリードする仲間でもある2社の担当者が「DX銘柄」や「それぞれのDX」について話しました。


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2社担当者対談メンバー

●安藤さん(左)
富士フイルムホールディングス株式会社 ICT戦略部 
各事業部のDX推進を担当。DXのベンチマークや、社内の生成AIの活用推進を行う。
●深田さん(中央左)
富士フイルムホールディングス株式会社 ICT戦略部 
製品事業のDX推進を担当。DXのベンチマークを行う。
●佐仲さん(中央右)
旭化成株式会社 デジタル共創本部 DX企画管理部
社内外のプロモーション活動を行う。
●北原さん(右)
旭化成株式会社 デジタル共創本部 DX企画管理部
主に社内に対するプロモーションを行う。
――――――――――――――――――――――――――――――――――※以下、安藤さん=安 深田さん=深 佐仲さん=佐 北原さん=北

普段、どんな業務をしていますか?

佐:わざわざご足労頂きありがとうございます!会えばちょいちょい話したりしますが、こういうのは初めてで,ちょっと変な感じがしますよね。

深:そうですね。でも、佐仲さんはけっこう慣れてるんでしょう?DXビジョンムービーの動画とか、ありましたよね?

佐:ありがとうございます!そうかもしれません。でも慣れてません(笑)
 早速ですが、深田さん安藤さんのお仕事で「DXのベンチマーク」があったんですが、これはどういうことをされるのですか?

深:これは他社のDXと自社を比較して、富士フイルムにもこういう事が出来るかも?とか,どうしたらこういうことが出来るんだろう?というのを考えて戦略に反映させたりするんです。なかなか直ぐに結果が出るものではないんですけどね…(笑)。

佐:同じ化学業界以外…全然違う業種も見るのですか?

深:勿論、持っているアセットは違いますからその辺も考慮します。あっちは技術者がいないのにどうしてこんなことできるんだろう?とか、ですね。
佐仲さんたちはこんな風に色々発信したりしているようですがIRとは別で独自にデジタル共創本部として動いているんですか?

佐:勿論IRや広報と連携する事もありますが、どちらかというと独自に近い感じです。身近なものをしっかりと伝えていきたいという思いがあって、デジタル共創本部としてnoteやYoutube、Xなどを一般の方々に発信しています。


お互いの業務に興味津々

「DX銘柄」に応募し始めたキッカケ

深:2015年ですかね。DX銘柄の前身である「攻めのIT経営銘柄」が始まった時、ちょうど富士フイルムもICT戦略室(現ICT戦略部)が出来たので、応募しようということになったんですよね。ただ当時はROEが8.0以上というハードルがありまして当時は当社は届いていなくて応募できなかったんです(笑)。でも2017年からそのハードルがなくなったので応募し始めました。そのころはまだDXなんて言葉はまだ無くって情報システム部門が中心になってIT化などを進めていましたね。

佐:2020年から「DX銘柄」に変わったんですよね。

深:そうそう、そういうわけで、富士フイルムにおけるDX銘柄は、前身の「攻めのIT経営銘柄」の延長という感じでしょうかね。とくにDX銘柄になったからというわけではなく、続けている感じですね。

佐:DX銘柄になった時って設問?は今までとそんなに変わらなかったのですか?

深:2020年はそんなに変わっていなかったんですけど、2021年のデジタルガバナンス・コードからちょっと変わりましたよね、最近では人材系の設問増えたな~と・・・あと、新規事例のウェイトが上がった気がしますよね、より具体的なものを求められるようになってきた感じがします。

佐:人材育成系は感じますね。
富士フイルムさんは、だいぶ前からDX銘柄的なものをずっとやってらっしゃるのですね。

深:こういう省庁がやってるのに参加するのが、きっと好きなんですよ(笑)


当時からの変化を振り返る4人。

佐:素晴らしいですね。旭化成は2021年ですからね。

北:はい、2021年が初めてのDX銘柄の申請となり、選定も頂きました。その直前にDX認定も取得しています。DX推進活動は、それまでも地道にしていたため、DX銘柄を申請しましたが、ちょうどその年の4月にデジタル共創本部もできたため、良いタイミングでの銘柄選定になったと思います。

佐:ほんと、良いタイミングでしたよね。

安:そういったDXに特化した組織が出来たから、銘柄を申請した、ということですか?

北:実はそうではなくて、選定をいただいてからデジタル共創本部が出来ているんです。

安:そうなんですね、だとするとどういうきっかけで銘柄申請したんですか?

佐:旭化成はもともと昔からMIとかDX関連のことはしていたので、社内でもDX銘柄を認識していて「うちもやってみようよ!」っていうことで、当時の担当者がかなり熱心に申請などしてくださりました。なので、DX銘柄の選定をいただいて、その後にデジタル共創本部が出来て~、という順番です。結果として良い流れで旭化成としてのDX推進を加速できた感じですね。(笑)

安:立て続けにそういうことが起こったんですね。

お客様にとってのDX銘柄・自分たちにとってのDX銘柄

深:ある意味、企業にとってのITパスポート(※)みたいなイメージですかね?日本のIT投資に対する遅れを皆が認識して、一緒に頑張っていかなきゃいけない中で、国としてその流れをつくるための物ですよね。DX認定と連携した形でDX減税というのもありますし。…ただ、結構減税のハードルは高いですけどね(笑)。
でも、一方で、国からの「お墨付き」みたいなことでもあるので営業トークには役立ちますね!     ※経済産業省認定の国家試験。個人のITに対する基礎知識を証明するもの。

佐:お墨付き、そうですよね、わかります。旭化成の名刺にDX銘柄のロゴを入れているのですが、お客様とそこで盛り上がったりすることがあります。雑誌とかに取材をしていただいた際などにも、冒頭で「DX銘柄を取得した旭化成が~」というように紹介いただけるのはちょっと嬉しいです(笑)。

深:うんうん。ホールディングスではないんですけどね、子会社のほうでは企業や病院に対してDXをお手伝いする、という時が結構あるんですが、そういう時はやはり良いみたいですね。信用が上がるというんでしょうか・・・。在ると無いとでは、少し違うみたいです。

「DX銘柄」に対するお客様からの反応に、2社共通の手ごたえ。

北:やはりそうなんですね。DX銘柄ってガバナンスコードと経営戦略を照らし合わせて、今後何をしていくべきか?の方向性の確認や見直しが出来る点も良いかなと思いってます。DXの取り組みをステークホルダーに開示する必要性も出てきますから、他社の取り組みを知ることにもつながり、そういう点で共創も意識出来て良いと思います。

佐:2年ごとの「健康診断」という書き方を経産省さんもされていますね。

安:DX認定のDX推進指標、あれは自己評価ですが毎年つけていれば、自社の去年の状況と比べることが出来るので良いですよね。弊社の場合は毎年提出させていただいて、コメントなどをDX認定やDX銘柄に活かしています。

深:自分たちのやっていることのまとめになりますよね。社内でいろんなことがある中で、全体を順序だてて並べてみるキッカケって意外とありませんから良いですよね。

北:そうですよね。それぞれDXしていても包括して全体を見る機会にはなりますよね!

佐:ちなみにですがDX銘柄自体について、お客様方はもともとご存知ですか?

深:…うーん?どうでしょうかね。説明すれば「なるほど!」という感じになってビジネスチャンスが増える、というイメージですね。今どきDXという言葉自体に関心を持っている方も多いみたいで引きは強いのかなと‥。ロゴがあるだけでお客様に安心感を持っていただけるし、お付き合いしやすくなりますね。

佐:思いのほかまだ知らない人も多いですよね。でも、旭化成でも富士フイルムさんと同じように、ロゴがあることで信用が増す、というような現象は起こっているみたいです。

深:社内でさえ、DXの絡みの無い事業部もあるので、同じ温度感でやっていくのは難しいところがあったりしますね。これをどうやって会社全体でDXを盛り上げていくか、というのは別で考えないといけないですよね。

DX推進における改めての課題も。

DX銘柄2024選定企業2社担当者対談 
旭化成株式会社×富士フイルムホールディングス ②
~それぞれのDX施策と変化~ に続く