「Asahi Kasei DX Visionムービー」制作の裏側② ~途中まで作り上げたものを、一度リセットする勇気~
Visionムービー1
1 未来の起点篇
奈:ビジョンムービー1はね。実は一回やり直したんですよ…。3か月くらいかかって作ったものを一回全部やめたんです(笑) 『結果全然違うものできました本当にスイマセンでした。』って(笑)携わってくださった方たちにゴメンナサイして回りましたもん。
北:そのときの内容を敢えて見てみたいですねー(笑)
奈:うーん。あるかも。今度見せますね(笑) 最初はね2030年DX Visionが実現した未来はどんな生活?って言うのを描いて作ろうとしていたんですよね。そのために旭化成の3領域(ヘルスケア・マテリアル・住宅)の方に集まってもらってワークショップをしてアイディア出してもらったりして…。でもそうやって作った映像って僕的にすごく既視感があって。「これ敢えて旭化成が作る意味があるのかな?」って事務局メンバーだった経営企画部の砂田さん(現在は旭化成ホームズに所属)と黒木さんとも議論になって…。
旭化成が旭化成として作るならもっともっと“旭化成が社会を、世界を、変えていこう!貢献していこう!”感が欲しくて…。もっと尖らせたほうが良い!と思い「サーキュラーエコノミー」「カーボンニュートラル」というコンセプトで作ることに変えたんです。正直その時も、正解は分からないままだったけど、このままではダメだということはハッキリわかったんで、思い切ってそれまで作っていたものをリセットしました!
前:でもその結果、すごく良いものが出来ましたよね。
奈:できましたね。やはり心に響くもの、刺さるものを作るにはテーマを絞って尖らせる事って大事なんだなって思いました。
佐:確かに結果として、1を見てよかったから、自分たちの領域も入れてほしいという要望がファーマとか住宅から来て、2の制作に繋がるんですもんね
奈:そうですね(笑)。1を作ってみて、一回みんなを巻き込んで進めていたのを辞めるとかもありましたけど、それも含めて、ものすごく大きな学びがあったんですよ。だからその“学び”を自分だけじゃなくて他の人にも味わってほしくって、Visionムービー2はこのチームの皆さんに関わって貰ったところもあります。
Visionムービー2は旭化成の3領域を表現しないといけないという中で中期経営計画の「Be a Trailblazer」というワードが来て“これだ!”ってなって。みんなでTrailblaserとは?というイメージを日宣さんに伝えるところから始めたもんね。
Visionムービー2
2 道なき世界篇
前:ビジョンムービー2を作るとなった時に最初オリンピックのCMというか動画を見て、スポーツを取り入れて迫力のある映像にしたい!って思ったんですよ。見たらテンションが上がって「よし!頑張るか!」ってなるみたいな、そういうのが良いなって。
北:はい、それもみんなで“こんな感じにしたい”っていう共通の認識が持ててよかったですよね。
奈:入れるスポーツの候補としてスケボーだけではなくてボルダリングもあったよね?オリンピックの新競技だから?
前:かもしれませんね。スピード感が欲しくってスケボーの方を選んだんですよね。
奈:スケボーのランプの上から覗き込んだカットは結構高さを感じて良かったけど、横から見た時の感じがイマイチで(笑)ちょっと高さ調整してもらったりしたよね(笑)
前:はい。ちょっと(笑)。実際よりも高さ出したり、太陽をきつくしてもらったりしてます。映像をよく見ると結構な高さだし垂直なんですけど、誰からも突っ込み来ていないんで良いと思います(笑)
佐:緊張感とかチャレンジをする感じを出したかったですからね。
北:アンケートの回答とか見ると、ちゃんとそういうの伝わっている感じがして、うまく伝えられたなって思います。私は音が盛り上がるところ、果敢に前を向いて雪道に繋がるところがメッセージとバッチリあっていて結構好きです。
佐:いいですよね。スキーのジャンプのところも好きです。Be a Trailblazer感が出ている気がして。
奈:いいですよね。僕はVisionムービー2が出来てから思ってるんですけど(笑)。Visionムービー1の最初の方、自然の中を歩いていて目線がふっと上がるところあるでしょ?そこが今思うとTrailblazer の“道なき道を行く”のシーンとつながっているなと思ってて好きです。1も2もちゃんとコンセプトとマッチしていていいよね。本当に、1も2もすごく良いムービーなんですよ。最高の出来!(笑)
北:(笑)そういう意味で行くと、最後は渋谷の街ではなくて“道なき道”をみんなで走るんでも良かったかもですね。
前:なるほど、そうですね。今の物にも勿論満足していますが、たとえば違うスポーツ、チーム競技だったら?とか、違う表現を試してみたい気持ちはありますね。
ムービー作りでの学び
奈:僕はやっぱり「こだわり抜く」みたいなことの大切さを学びましたね。1を作る中で、砂田さん、黒木さんは細部に強い“こだわり”があって、シーン毎に細かく明確にイメージを持たれてましたね。例えば、「このシーンはスペイン系のおばあさんが真っ黒な服で真っ白な空間にたたずむイメージ」みたいな。最初「え?」って思ったけど、そういう“こだわり”ってすごく大事だなと思いました。そこまで!?っていうくらい細部までこだわると全体が変わってくる。
佐:どのシーンですか?あります?
奈:あ、結局は砂時計のシーンに変わりました(笑)世界が手にしている時間は少ない みたいなコピーのところ。
佐:あ、砂時計のシーン、そんな議論があったんですね。(笑)
奈:そうそう(笑)。結局砂時計になったんですけどね。でもこだわるのって大事だなと思いました。相手がプロだとしてもしっかり意見を伝えて議論をすること、そういうことをしないとやっぱり人の心に響くものは出来ないなと・・・!これは絶対に一人ではできない学びでしたね。
前:僕は、自分の領域でない仕事をする際に、やはりちょっとでも先方の領域を学ぶというか齧るというか、そういうことをするとお互い話がスムーズだし、きちんと伝えられるなっていうことを学びました。ムービーの時は出来なかったんですけど、これからはそうやって行きたいなって思ってます。
北:まさに旭化成のオープンバッジっぽい感じで良いですね!(笑) 私は、思っていることとか感じていることを話してみる、伝えてみると聴いてもらえる、受け入れて貰らえるんだなってことを学んだ気がします。こんなこと言っても大丈夫かな?とか思っちゃうんですけど、言ってみると意外と全然大丈夫で共有出来てうまく進むというか。認めてくれる仲間、見てくれた皆さんとの一体感は学びでした。恐れることは全然なくて、前に進んでいけるんだなと。
佐:みんな動画を作るのなんて初めてでしたしね。僕も最初は不安はありましたけど、今までしたことない色々なこと、作るだけじゃなくて届けるところまでを経験出来て、全部が新鮮だったし、刺激になって、知見になりました。最後は良いものができたなって思います。やってよかったですよね。
次回、「Asahi Kasei DX Visionムービー」制作の裏側③
~見てもらうまでが動画制作!~ に続く。
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