2023年度 「DX戦略説明会」開催
2023年度「DX戦略説明会」が12月7日に開催されました。
本説明会では、旭化成株式会社 取締役兼専務執行役員 デジタル共創本部長である久世和資が、「デジタル人材の強化とビジネス変革」というタイトルで、旭化成グループにおけるDX推進の現在地と将来についてお伝えしました。
2023年度「DX戦略説明会」を開催 | 2023年度 | ニュース | 旭化成株式会社 (asahi-kasei.com)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1 旭化成のDX戦略
旭化成は、DXを経営基盤の強化における重要なテーマの一つと考えています。
旭化成の進める「構造転換」「成長牽引事業(10のGrowth Gear=GG10)」を加速するうえでもDXは非常に重要な役割を果たします。
2023年は旭化成の“デジタル変革ロードマップ”において、DXによる経営革新を実現する“デジタル創造期”にあたり、「ビジネス変革」「経営の高度化」「デジタル基盤強化」を3つの柱としてDXを進めています。
「ビジネス変革」:旭化成の持つ3領域(マテリアル、住宅、ヘルスケア)における10個の成長牽引事業(GG10)を中心に具体的な事業の変革を進める。
「経営の高度化」:各事業領域で共通で使えるDXのフレームワーク、戦略、ツール、技術を体系化して全社に提供する。
「デジタル基盤強化」:デジタルを使いこなすデジタルプロ人材の育成とデータセキュリティなどの基盤を強化する。
また、DXを推進するにあたって「全員参加」×「現場主導」×「共創」をキーワードとしています。
DXでビジネスそのものを変革していくには、経営層含む全従業員がデジタルに関する正しい知識を持つこと(全員参加)、そして、現場がリーダーとなり変革進めていくこと(現場主導)が必要であると考えています。そのため、デジタルを使いこなせるデジタルプロ人材の育成に力をいれ、[営業・マーケティング][研究・開発][生産・製造・品質]といったそれぞれの分野でデジタル活用を進めています。デジタルという共通言語を持つことで、それぞれの分野の境界を越えた新たな連携(共創)が生まれ、ビジネスモデルの変革=トランスフォーメーションが実現すると考えています。
2 経営の高度化とビジネス変革
下記、5つの具体事例をお伝えしました。
① 研究・開発 ~マテリアルズ・インフォマティクス(MI)~
旭化成の持つ3つの事業軸の一つ“マテリアル事業”において開発スピードを上げること、そして革新的な製品を開発することはとても重要です。MIは材料開発に情報技術(データ)を活用することで、それらを実現することができます。MIの導入によりウィルス除去フィルタ「プラノバ」の高性能化に成功しています。また、企業間の壁を越えたデータ連携(共創型MI)により更なる開発スピードの加速を実現し個社では成し遂げられない革新的な製品開発も進みます。
② 生産製造・品質 ~スマートファクトリー~
製造現場の様々なデータを統合して、見える化・分析・予測をすることにより、現場の最適化・自動化・属人性の排除を実現し、品質の安定や稼働率UPなど作業の効率化を図ります。旭化成では2021年度より「スマートファクトリー成熟度診断」を実施し、責任者と今後の取り組みを協議する改善ツールとして活用しています。電子材料事業においては、世界の各拠点の製品情報・管理情報・顧客の問い合わせを一元管理することにより品質のばらつきに即座に対応(問い合わせから回答まで4週間かかっていたところを7時間に短縮の例もあり)できるようになり、品質競争力の強化を実現しました。
③ 営業・マーケティング ~旭化成ファーマのMRの営業手法の抜本的改革 (NIKKEI BtoBマーケティングアワード2022大賞 受賞)~
旭化成ファーマは、デジタルを活用することにより企業分析やアポイントなどの業務を効率化し、提案活動や契約といった営業が本来注力すべき業務に専念できる仕組みを開発しました。このツールや技術だけではなく、人材や戦略をファーマ以外の領域にも展開しています。理論を学ぶだけでなく実践の場を用意し、常に最先端の情報を社内にインプットしています。毎月開催される専門家・アカデミアによる社内講演会は延べ5,800名が参加しています。
④ コーポレート ~生産性向上プロジェクト(BT Project)~
BTProjectは働き方・組織の在り方・管理の仕方について、データを使って抜本的に変えていくことで、継続的な収益構造の強化を促進していく会社全体としての取り組みです。データの見える化・可視化により課題や伸びしろを分析・予測。社員一人一人や事業一つ一つへの意識改革により、会社全体を高収益体質へと成長させます。
⑤ ビジネスモデルの変革 ~「デザイン思考」と「アジャイル開発」でビジネス変革~
顧客の “潜在ニーズ”に迫る「デザイン思考」と、開発工程を小さいサイクルで回すことでサービス提供までの時間を短縮する「アジャイル開発」の活用により新しい価値を生み出すソリューションビジネスを目指します。
イオン交換膜事業においては、予兆保全・最適(効率的)運転の提案など新たな価値を提供し、リカーリングの高度化を図っています。
電子部品事業では最終ユーザーへの価値提供を中心に据え、マーケティング戦略を展開。デジタル技術強化で、技術と製品だけでなく顧客との接点、関係性を変化させ競争力を強化していきます。
将来的に縮小が見込まれる国内住宅市場においても、顧客との新たなタッチポイントの創出(HEBELIAN NET.)や、顧客満足度が継続するサービス(LONGLIFE-Navi)を提供しています。
3 デジタル基盤強化
旭化成はオリジナルのDX教材「旭化成DXオープンバッジ」を海外拠点含む全従業員に展開しています。オープンバッジのカリキュラムは生成AIなど新たなコースも随時追加し進化を続けています。経営層からのメッセージの発信や、工場地区への集中講義により更なる浸透を計るだけでなく、デジタル共創本部内に「デジタルタレント室」を新設することでデジタルタレントの育成・獲得・活躍をさらに加速します。
旭化成は新たな技術を積極的に活用することもデジタル基盤の強化につながると考えています。全従業員向けの生成AIガイドラインの作成とコミュニティ(現在700名)を発足、2023年6月には全従業員が利用できる生成AIシステムを導入(フェーズ1)、社内データを連携した生成AIシステムの活用(フェーズ2)も8月から開始し、書面監査などの専門性の高い業務への応用も進め業務効率化と顧客満足度の向上といった成果も出ています。また、セキュリティもデジタル基盤として強化すべき重要な要素となります。全従業員の知識と意識の向上のためのセキュリティ教育・訓練を継続的に実施し対策を強化しています。
4 デジタルノーマル期に向けて
2022年度からの3か年の中期経営計画「2024年度目標 DXーChallenge10-10-100」。旭化成は、グローバル全従業員のうちデジタルプロ人材を2,500名にする「デジタルプロ人材10倍」、グループ全体の「デジタルデータ活用量を10倍」、そして「重点テーマ増益貢献100億円」を目指します。2023年度上期終了時点ではそれぞれ順調に推移しています。
旭化成の“デジタル変革ロードマップ”では2024年からいよいよ“デジタルノーマル期”に突入します。会社全体、全社員がデジタルを活用することが当たり前となる旭化成の新たなフェーズにどうぞご期待ください。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
お忙しい中、旭化成DX説明会にご参加いただきました沢山の方に
改めて御礼申し上げます。
皆様のおかげで、旭化成のDXに関する取り組みは
DX銘柄をはじめとした様々な場で賞や評価をいただくことができ、大変うれしく思うと同時に、大きな励みとなっております。
今後も旭化成は“ 世界の人びとの”いのち”と”くらしに貢献 ”すべく、
TrailblazerとしてDXで未来を切り開き、挑戦を続けて参ります。
2023 年DX戦略説明会 ニュースリリース+資料、動画はこちら。
関連リンク
デジタルトランスフォーメーション | 企業情報 | 旭化成株式会社 (asahi-kasei.com)
旭化成株式会社 (asahi-kasei.com)
旭化成 DXエンジニア キャリア採用 特設サイト (rs-information.com)